4月間近になっても、吹く風が冷たい。
家内を送って静岡市民文化会館に。
その裏手の土手は、あまり知られていないが桜並木である。
今年は同じ列に並んでいるのに早咲き、遅咲きの差が激しい。
同じ土手の「お濠」に面した側は駿府城址の一角で桜の名所となっている。
こちら側は文化会館の裏手の駐車場で、見る人も少ない。
が、表とそん色ない風情なのである。
同じソメイヨシノの並木なのに、今年は早咲き遅咲きの差が目立つ。
土手に上って真っ先に見たのはまだ二分咲き。
ポツリポツリで、それはそれで青空に映えて好きなのだが、
枝の向こう側には”満開の一群”も見え隠れしている。
陽の光に誘われてそちらまで歩いていく。
見事なものである。
はや満開、かすかにピンクがかった花片が黒い枝とよく対比している。
<枯れ木に花を咲かせましょう>・・・・か。
この時期の桜の枝には葉が1枚もなく、どれも枯れ木に見える。
そこに「パッ」と咲いてみせる、日本人が好きなわけだ。
そして1週間もたてばハラハラと
花片が舞って落ちてくる。
晩冬から春の季節へ、明るさを待ち望む。
だから早咲きの桜がもてはやされるのだろう。
しかし今年は・・・・・。
まだ咲きそろわない遅咲きのやつに心が惹かれる。
<ゆっくり咲いてもいいじゃないか>
心でつぶやいている。
62歳で事業を始めたがパッとしない。
出版業、そして行政書士。ブログの書き手。
今のところ芽が出ない。
出ないなりに朝も昼も、そして夜まで机に向かう。
「仕事」はいくらもある。おカネにならないカッコつき仕事だが。
<40代で始めていたらえらいことだった>
時間があるのが最大の強みだ、と思う。
“成功“までの道のりを急がないでもいい。
熟年起業などというと「先がない」と思われがちだが、先はある。
“耐用年数”は短いが、あす成功しなければならないわけではない。
背負ってきたものを下ろしてからの仕事だ、今までの延長線にない仕事。
花咲くまでに時間が掛かって当然。急ぐより続けることの方が大事だ。
何をぬるいことを、若い私なら言ったと思う。
その言葉を飲み込めるだけ世間を知ったということだろうか。
成功渇望症候群の今の日本で、「大成功しないという”成功方式”」は
たぶん多くの人には苦笑、冷笑されるだけだろう。
しかし桜は遅かれ早かれ季節が来れば咲く。
同じ咲くなら、遅く咲く方が身の丈に合って自分らしい気がする。
志を持続する! これからもずっと。
春遠からじ。よい気分だ。
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