前回は「Facebook疲れのあなたを癒す処方せん」を書いた。
「リスト」を使ってFacebookで交流する相手を選び、複雑になった「友達」との関係を一度リセットしよう――という提案だ。それが対処法の「第1ステップ。
「第2ステップ」で想定しているのは、「Facebookには意欲的だけれど、一部に“ピンポイントで敬遠したい人がいる”」といった人のリスト活用法だ。「忌避リスト」を作っておくとそれができる。
「忌避リスト」を作って、特定の人だけ敬遠する方法を書く前に「閲覧制限をする4つの方法」についておさらいをさせてほしい。
と言うのは“ピンポイントで特定の人を外す”というのは、忌避リストなぞ作らなくてもFacebookに元からある「知り合いリスト」や「制限リスト」を使えばできる、それにもかかわらずここであえて「忌避リスト」を提案するのは、もっとふさわしい「使っていい対象」「いい場面」があると考えているからだ。
逆に言えば、「知り合い」や「制限リスト」についても使うべき相手や使うタイミングがあるのに、割と無造作に使っているように見えるのだ。たかがFacebook、ソーシャルメディアである。そこで人から「制限される」というのは、制限される側から見ればチクッと心に刺さる。そんなことでリアルな人間関係に亀裂が入るようでは使っている意味がない。重複にはなるが、閲覧制限の4つの方法を取り上げ「使うべき場面」についてあらためて解説しておきたい。<お急ぎの方は1ページ目を飛ばしてくれて構わない>
■似て非なる4つの閲覧制限
あなたの投稿記事を特定の人たちに見られないようにする「制限手段」は、「ブロック」のほかに、「知り合い」リスト、「制限リスト」、今回自作することになる“忌避リスト”、それにリストとはまったく別の方法論である「フォローをやめる」がある。
種類も多いし性質も違うので「表」にまとめた。
安全に「苦手」を遠ざける最良の方法
●知り合い
「知り合い」というリストは特別なリストである。
このリストに「友達」を入れただけで、その友達の投稿があなたのニュースフィードに表示されにくくなる。
「リストに入れる」と書いたが、「★友達」メニューから「知り合い」を選ぶだけ<下の写真>で指定できるので、あなたには「リストに入れる」という感覚はないかもしれない。
効果は絶大だ。指定して以降、相手の投稿はニュースフィードにほとんど届かなくなる。
しかし、こと自分の投稿を相手に見せないという意味では、効果はニュートラルだ。
なぜなら相手から見ればあなたはまだ“ふつうの友達”だから。
そこでこの人に見られないようにするには一手間かけなければならない。Facebookが用意している方法は「知り合い以外の友達」という共有範囲だ。投稿するときにこの範囲にして投稿する。「知り合い」にとっては“忌避リスト”に入れられたも同然で、この投稿を目にすることはなくなる。
「知り合い」は文字通り、知り合い程度の友達づきあいを想定して指定するのがベストだ。特に相手の投稿を読みたいわけではない。
相手の投稿を見る機会がめったにないから(自分のニュースフィードに表示されなければ見かけないでしょう?)あまり“交流”は生まれない。だから投稿時にわざわざ「知り合い以外の友達」など使わなくても、ただ普通に投稿しているだけでFacebookのアルゴリズムが働き、「知り合い」との関係は疎遠になっていく。
だから「知り合い」に指定するのは原則として、あまり親しくない人。
しかし「知り合い」の使い方によってはこんなこともできる。
リアルな友達の中で、特にあなたが苦手な人、気を兼ねる相手。こういう人たちをあえて「知り合い」に指定して相手の投稿を見る機会を減らす。“疎遠”を加速したければ投稿のときに「知り合い以外の友達」を使う。
安全に「苦手」を遠ざける最良の方法だと思っている。
リアルな友達に使うとビミョーだ!
●制限リスト
「制限リスト」はリストの一種ではあるが、「知り合い」が特別なリストであるように、これも“特別な機能を持った”リストだ。ただし、リストに入れても「知り合い」のような速効があるわけではない。投稿するときにのみ威力を発揮するユニークなリストだ。
制限リストに友達を何人か入れた後にあなたが投稿すると――
「公開」のときには何も起こらない。
しかし「友達」や「友達の友達」、あるいは「知り合い以外の友達」などで投稿すると、制限リストに入れられたあなたの友達はこの投稿を一切見られなくなる。ニュースフィードに届かないし、直接あなたのタイムラインをのぞいても見ることができない(この人にとっては記事は「存在していない」のだ!)。
「公開」記事か、本人がタグ付けされた記事しか見られないようになる、というのが「制限」の意味である。「公開」記事以外はありとあらゆる投稿から締め出されるわけだから、かなりキツイ制限である。
一方、制限された友達の投稿は今まで通りあなたのニュースフィードに表示されるだろう。「友達である」という関係は変わらないからだ。
こういう関係はビミョーとしか言いようがない。私は気が弱いから、親しくつきあっている友達を「制限リスト」に入れるなんて、恐れ多くてとてもできない。それに、敏感な人ならすぐに「何か変だ」と“異変”に気づいてしまうだろう。リストに入れたことがバレるとかなり気まずい。
だから私は、リアルにふだんからつきあっている人を敬遠するときには「知り合い」を使う。もしくは2ページ目で詳述するように「忌避リスト」を使って、差しさわりのある情報発信のときだけピンポイントで外れてもらう。
普通のリストだが作っておくと重宝
●忌避リスト
あなたが自分の投稿を見られたくない相手をピックアップしておく自作のリストだ。だからこのリストに特別な機能はない。意味が理解されやすいように私が勝手に名づけただけである。
使う場面はもっぱら投稿するとき。共有範囲「カスタム」で「共有対象外」にこのリストを入れる。
普通のリストを作っただけなので、あなたがこのリストに友達を入れても相手には知られない。また「友達」との関係は続いているので、この人の投稿記事をあなたは自分のニュースフィードで見かけることだろう(直接的に「見たくない効果」が高まるわけではない)。
リストの使い方については2ページで詳述する。
バッサリとフォロー切りした方が活性化?!
●フォローをやめる
これは相手の投稿なんか見たくない(見なくていい)、というときに使う。
Facebookで「友達になる」というのは、「相互に相手をフォローしている状態になる」ということだ。「フォローする」というのは「私のニュースフィードにこの人の投稿を表示してください」という意味である。その「フォローをやめる」のだから、相手の投稿は100%届かなくなる。
Facebookは2013年12月から「友達」と「フォロー」の関連を切り離し、身分は「友達」のまま「フォローをやめる」こともできるようにした。
一方、あなたがフォローをやめても、相手はあなたを相変わらずフォローし続けているから、あなたの投稿記事はいまだに見られていることになる。つまり「見られたくない効果」はフォローをやめただけでは実現しない。しかし間接的にはやはり「フォローをやめる」はあなたの投稿の「閲覧制限」の役目を果たしそうだ。相手の投稿をまったく見なければ(相手にとって)あなたの反応はゼロ。Facebookのアルゴリズムも“冷えた関係”とみなすだろう。ゆえにあなたの投稿も相手のニュースフィードに届きにくくなるはずだ。
「フォローをやめる」は、友達申請があったから承認したものの“それっきり友達”になって以後まったく交流していない「友達」に使うのがいいだろう。Facebookもそれを推奨している。意味のないフォローをやめてしまえば、あなたのニュースフィードのキャパシティーに余裕が出る。すぐに効果が出るわけではないが、フォローをやめてニュースフィードへの表示圧力を軽減してあげれば、他の友達との交流が活性化していく可能性がある。
1000人以上も「友達」がいるような人には「フォローをやめる」を使うことをおすすめする。
あなたのタイムラインの左横にある(PCの場合)「友達」タブをぜひのぞいてみてほしい。ずーとスクロールしていくと、次第に顔と名前が一致しなくなっていくのではないだろうか。半分ほどもスクロールしていくと、そこにはまったくやり取りをした記憶も形跡もない“友達”ばかりとなる。こうなったら「フォローをやめる」を使っても実害は何もない。あなたの投稿に対する「いいね!」もコメントもまったく減らないはずだ。(元々これらの人たちにはあなたの投稿は届いていないのだから)
長い目で見れば、バッサリとフォロー切りした方があなたのタイムラインは活性化する。1000人の「友達」がいても通常は、2、300人の友達とのやりとりで終わっているというのがほとんどだからだ。結局、Facebookは「数」ではない。「交流」しなければ何ものも生まれはしない。
>2ページに続く↓↓↓(「忌避リスト」の解説)
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