★Facebookのクチコミ原理──テクニックなんかいらない、記事の価値だ!

クチコミ
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まことに”今さら”の話で気が引けるのだが、「Facebookでクチコミが起こる原理」をつかんだので、そのことについて書いてみたい。
ごくごくシンプル、極意はこれだった!
読む人にとって価値のある情報を提供する

これまで「いいね!の原理」だとか「ニュースフィードのクセについて」とか、果ては小難しい「Facebookのアルゴリズムについてなど、いろいろ書いてきた。原理や仕組みにばかりとらわれていた。理屈で説明しようとして、最も重要な視点を抜かしてしまっていたようだ。

 

■筆者は同じなのになぜ反響が違うのか

それに気づいたのは、Facebookページの「インサイト」で、投稿した記事の各種数字(つまり、目に留めたり読んでくれた人の反響)をジーッと見ていた時だ。見ていたのは「ジャーナリスト石川秀樹」という私のFacebookページ。最近書いているのはもっぱら、このブログへの誘導記事だ。Facebookから離れてブログを見に来てくださいというのだから、“反響”があまりよくないのはやむを得ない。

 

ページのいいね!を押してくれた「ファン」は1500人ほど。誘導記事へのリーチは通常、数百にとどまる。全員には届かないのが実情だ。
しかし時には、ファン数を超えて多くの人に見てもらえる記事も生まれる≪下の写真≫。2000、3000。たまには6000を超えることも。

インサイトで記事を比較

インサイトで記事を比較すると「数字」が極端に違う

 

いいね!や投稿クリック数が多い記事がリーチを伸ばしているのだろう。
同じ筆者、「Facebook」という同じテーマで書いているのに、この差は何なんだろう。
「記事が生まれる」とは変な書き方をしたが、まさに「生まれる」感じなのだ。生み出したというより、明らかに人々の反響によって見出された記事、共感を得て広がり評価され、それで世に出してもらえた記事なのである。

 

そのとき思ったのが冒頭に書いたこと────

<そうか、Facebookは“読む人にとって価値のある情報”をお届けするんだ!>

 

■いつもの記事はいつもの人たちに

「読む人にとって」がキーワードだ。
これまでは真逆の方向から考えていた。
情報を拡散させる、というこちらの都合ばかりで。

 

Facebookの原理は逆!
だからFacebookはまず、「必要な情報」を「必要な人」にだけ届ける。
それが“いつものような記事”の流れである、と言っていい。
Facebookの気まぐれ配達人=ニュースフィードが、必要最小限の「友達」に届けるわけだ。(この段階ですでに友達「全員」には記事を表示していないことに注目してほしい)

 

友達の何人かがいいね!やコメントをくれる。
するとFacebookは“義務を果たしますよ”とばかりに、友達の友達のニュースフィードにあなたの記事を再配達する。
もちろんこの場合も「友達の友達」の全員にではない。ごく少数、ささやかに「友達の友達」のうち比較的に交流がある人に届けることになる。

 

■「良き情報」は大勢に届ける

以上が基本だ。
通常はここまでで拡散は一段落する。
ところが、いいね!やコメントがいつになくたくさん寄せられると、その反応の速さと量にびっくりして(?)Facebookはいつもと違うルールを引っ張り出してくる。
つまりFacebookはあなたの投稿を「多数に共感された良い記事」とみなすわけだ。

「良き情報」はもっと大勢に届ける。
これがFacebookの次のルール、公式だ。
人々の興味と関心は、いいね!、コメントに限らない。
シェアは強い関心の証拠だし、投稿の続きを読んだり、写真をクリック、リンクをたどる行為も興味の深さを物語る。

こういう記事が登場するとFacebookはにわかに活気づく。
ごほうびとしてFacebookはこの記事を友達の友達、さらにその向こうにいる人たちにまで記事をバトンタッチしていく。
いつもと違う動きだ。
ニュースフィードへの表示数はグングン上がり、いつもは24時間以内に収束してしまうのに、翌日になってもまだいいね!が増えていく。

Facebookでクチコミ

Facebookでクチコミは起こすのではなく、起きるものだ

Facebookは、いつもの記事はいつもの人たちに届けるだけ。
(まるで「それで十分でしょ?」といっているみたいに)
一方、誕生日や出産、結婚などのお祝い事は比較的広い範囲に。
(Facebookにはこういうルールもあるらしい)
そしてたまに現れる「良き記事」は奮発して大勢に届ける。

このメリハリは絶妙だ。
データ処理のルールを適用しているだけなのに、名シェフがさじ加減を心得ているかのような手際なのだ。

 

■個人利用者ににつれないFacebookページ

商売、ビジネスにFacebookを使おうとしている人は、この点で大いにとまどうに違いない。
Facebookが反応するのは「読み手の反応」であって、情報発信する書き手の都合や願望ではないからだ。
店や商品、あるいはブランドのPRはよほど巧みな人を驚かしニヤリとさせるような、今までにないような手法を使わない限り、大勢に共感されることはない。

さらに問題なのは、Facebookのルールをきちんと守って、Facebook公認の“商用”ページである「Facebookページ」で投稿しているユーザーたちだ。こちらにはもう1つ戸惑いのタネがある。
Facebookページは明らかに大きな企業や団体、有名人を想定してつくられている!ということだ。
奇妙なことに現在のFacebookページでは、Facebookがさんざんすすめてきた(そして今も「一番重要だ」と言い続けている)「ファンと交流する」という手がほとんど使えない。
だから、個人事業主や小さなお店のオーナーがFacebookページを使っても、大手や有名人が資本力や知名度をバックにファンにアピールするような斬新なことは、ほとんどできない。

1個人にとって、個人のタイムラインとFacebookページを書き分けることだけでも難しいと感じられるだろう。(だって、明らかに同じ人が書いているのだから。担当者や代理人がいるわけではない!)
さらにもっと大きな“障害”がある。
Facebookページで書いた記事のニュースフィードへの表示率は、個人ページの記事の表示率に比べて著しく低いのだ。

どうやらFacebookは2008年にFacebookページ(当時は「ファンページ」と言っていた)を作ったとき、これを使う人として「個人事業主」などの個人をまるで想定していなかったようだ。ところが存外多くの人が、「無料で使えるクチコミツール」とばかり、Facebookに参加してきた。当時はFacebookもそれなりに”商用ページ”を活用してもらうよう、きめ細かな交流手段を用意していた。しかし2012年ころには、そうした機能はFacebookページからほとんど”没収”されてしまった。

 

■それでも11万人に広がった記事もある

だから、私たちのような個人事業主がFacebookページを使いこなすというのは大変だ。
この問題を技術的な側面のみに注目して書けば、「個人がFacebookを商用利用して成果を得るのは大変ですよ」とい言わざるを得ない。
事実、2011年から12年、13年にかけてFacebookの熱狂がありながら、やがて冷めてしまったのはそれが原因だ。ファンと交流を深める仕組みがなく、Facebookページの表示率そのものも低く抑えられている。まるで打つ手なし。「Facebookはクソだッ・・・・・」という人も少なくない現況だ。

しかしこの見切りのつけ方、やはり早計だ!
私のページのインサイトが物語っている事実は1つだけだ。
反応がある記事はやはり大拡散する!

どのくらいの数字になれば「大拡散」と言えるかはご意見があると思う。私の感覚でいえば、ブログへの誘導記事で5000人も6000人も見てくれたら大成功。今までで最大の拡散は2013年9月に書いた「友達の写真に鍵をかけよう」という記事。これはブログへの誘導記事ではなく、Facebookページに持論を長文で書いた記事だった。この記事は11万人のFacebookユーザーに広がっていった。

※ブログ用に書き直した記事はコレ ↓↓

★鍵を掛ける人になりましょう! Facebook友達のプライバシーはあなたが守る

■思い通りにならないから燃える

個人のページであれFacebookページであれ、クチコミが起きる原理は変わらない。
Facebookでクチコミを起こすことは、誰であっても難しい。
仕掛けてクチコミを起こせるのはプロだ。それでも確率はかなり低い。
Facebookのクチコミは、起こすものではなく、起きるものだ!

 

私も”大拡散”に味をしめて、何度も2匹目のドジョウを狙った。
つまり「ユーザーに受ける記事を」というわけだが。
ほとんど失敗している。『これぞ!』と思った記事が100いいね!ももらえない、表示数が200、300なんて時もある。ユーザーがどんな記事を求めているのか、何年も書いてきたFacebook関連の記事なのにあまり当たらないのだ。

しかし、以上は愚痴である。
表示数(リーチ)2000、3000のミニ拡散なら何度でもある。
Facebookでそれくらいの反応を得られたら、ブログは確実に多くの人に読まれる。
よい、悪い、共感する、しない──を選んでいるのはユーザー1人ひとりの行動だ。
それは気持ちよいほど「公平」。

 

誰にでもチャンスがある一方、こちらの思惑とはまるで関係ない。
当たるも八卦・・・・・と言えば賭け事のようだが、少しでも確率が高まるように人々の興味、関心を考えるというのは「Facebookで勝つための必要最小の努力だ」と思う。
『いつもの、の領域を超えた記事を書きたい』
私はいつもそう思いながら文章を書いている。

 

Facebookの投稿は、もちろん勝ち負けではない。
「勝つ」というのは私流の表現で、リーチ数の多寡をいうのでもない。
たった1人でも、心に届く記事を書きたい。それだけだ。
しかし、1人に届く記事は多くの人に”刺さる記事”にもなり得る。

 

<Facebookは“読む人にとって価値のある情報”をお届けする>
私やあなたの得ではなく、読む人が得になる情報を発信するのだ。
簡単そうでなかなか届かないからこそ「今度こそ」と思える。
Facebookは限りなく書き手のモチベーションに火をつけてくれるソーシャルメディアである。

ジャーナリスト石川秀樹

 

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