Facebookの難物、「シェア」について書きたい。
分かりやすく書くために「自己シェア」を引き合いに出して説明する。
「自己シェア」とは自分で自分の投稿記事をシェアすること。
典型例は、Facebookページに書いた記事を個人アカウントでというケース。
「Facebookページのいいね!」獲得のため、多くの人がこの誘惑にかられる。
しかし先に結論を言っておくと、この試みはほとんど成功しない。
■自己シェアの効果測定のため実験した
私も一からFacebookをやってきたから自己シェアする気持ちはよくわかる。
でも残念ながらこの方法、合理的ではない。
自己シェアの効果を測定するために私のページを使って実験した。
上に挙げたのがFacebookページにアップしたシェア元の記事だ。
写真のある・なしでシェアの構造が違ってくるので2つ投稿した。
個人ページにシェアするとこんな感じで表示される。
さて、問題は「赤枠」をつけた「いいね!」である。
写真付きの方が55人、写真なしの方は38人がいいね!した。
このいいね!、実は「シェアした記事」へのいいね!ではない!
「シェアした私(個人アカウント)」へのいいね!なのである。
■シェアされた記事に直接いいね!できない!?
ここは重要なので、しっかり理解してもらいたいのだが・・・・。
いいね!した人の十中八、九はシェア元の記事への共感だと思う。
「この記事がいいと思うよ」という意味でのいいね!のはずだ。
シェアした私に共感した、という意味ではないだろう。
ところが「いいね!」というごほうびはシェアした私に与えられた。
Facebookページの記事を自己シェアする狙いはどこにあるのか?
記事に注目してほしい、という願いがあってのシェアではないか。
同時に、Facebookページを「友達」に知らせたいという願いも。
この場合、友達がページのいいね!を押してくれたら最高だ。
Facebookはこのユーザーの切なる願いをあっさり袖(ソデ)にする。
Facebookの仕組みがそれを許さないのだ!
シェアした記事は全文がその場で読める。
「その場」とは私のタイムラインと、私の友達のニュースフィードだ。
逆に、元の記事に直接いいね!しようと思っても、それは難しい。
また直接コメントしようにも、元の記事にたどり着きにくい。
【シェア元の記事を表示させる手順】
①写真付きの場合 → 写真をクリック(すると以下の画面に)
この場合はワンクリックで元の記事に到達できる。
②写真なしの場合 →「〇〇さんが△△さんの近況をシェアしました」の「近況」リンクをクリック(すると以下の画面に)
この時点での記事は、個人ページのシェアした記事と同じ。したがって赤枠の「いいね!」は私個人へのものだ。
Facebookページの元記事に行くには→青矢印で示したリンクをクリック(これでようやく元記事にたどり着いた)
■元の記事への誘導は1割にも満たない
Facebookの「シェア」という機能、非常にわかりにくい。
さらに「わかりにくい話」をしなければならない。
自己シェアしたらその効果のほどは?という話だ
実験結果を報告しよう。
驚くべき結果だった。
まず写真付きの記事をシェアした場合――
集計した時点でシェアした記事(個人ページ)に55人がいいね!した。
この55人中、元の記事にもいいね!した人はたった2人!!
写真なしの記事シェアでは38人がいいね!している。
この38人中、元の記事にもいいね!したのは3人。
Facebookページの元記事は55いいね!を獲得しているのに、
「シェア効果だ」と言えるのはたったの2、3人!
シェアして友達に記事を広げ、fbページに誘導する狙いは外れた。
関心は呼んだのに誘導効果は「1割にも満たない」という結果・・・・。
■日本のユーザーはかなりの潔癖症だ
自己シェアしても狙い通りの効果が得られない原因はなんだろうか。
はっきり言えるのは、シェアする人と読む人との思惑のズレだ。
①元々Facebookでは「欲ある」行為は共感されない
(Facebookページを見てほしい、ページのいいね!をというのは「欲」だ)
②自己シェア行為そのものが意図が見え見えで共感されにくい
(シェアは元々友達のためにすること、自分のためではない)
人は「誘導」されたり「行為を促される」ことをあまり好まない。
『友達だからこっちの意図を汲んでくれるだろう』
は、どうやらFacebookにおいては通用しないようだ。
その点、日本のFacebookユーザーは潔癖の度合いが強い。
■自己シェアで元の記事はかえって迷惑
もう一つの理由がある、単純な理屈だ。
③Facebookの仕組みの問題
個人ページでシェアした記事はそこで全文が読めてしまう。
だとすれば、わざわざFacebookページに見に行く必要はない。
見に行く必要がないどころか、あなたが自己シェアすればするほど
Facebookページの存在意義は薄れてしまうのだ。
自己シェアはFacebookページを助けるどころか、邪魔をしている!
なぜそうなるのか、非常にわかりにくいのでじっくり読んでほしい。
そもそもFacebookの記事はどこで読むのか、という問題だ。
「どこで読むのか」の答はニュースフィード(NF)だ。
あなたが書く記事は、個人ページで書こうがfbページで書こうが、
友達やファン(ページのいいね!を押した人)はNFで読む。
あなたのページやfbページを訪問して読んでいるわけではない。
fbページで記事を書く→記事の向かい先はファンのNF。
fbページの記事を個人としてシェアする→それも友達のNFに。
NFはfb各ユーザーに与えられているから12億人いれば12億個ある。
しかし友達やファン個人にとってはたった1つ。
そこにあなた発の記事も飛んでくる。
NFには他の友達、他のfbページの投稿、さらに広告なども飛んでくる。
NF上の”競争”はかなり激しい。
あまりに競争が激しいからFacebookは表示制限をする。
だからNFへの記事の表示率は100%ではない。
あなたが書いた記事も友達に100%は届かない。
事実上、まめに交流している友達にしか届かないのだ。
※(参照)
★Facebookは“極端”がお好き、あなたの投稿表示数は時に250倍の差がつく!!
ニュースフィード上ではさまざまな情報がしのぎを削っている。
そんな中であなたは一所懸命に自己シェアを繰り返す。
その結果、首尾よく友達が「ページのいいね!」を押してくれたとしよう。
友達は「友達」+「ファン」になった。
すると、こういう現象が起こる。
友達のニュースフィードに①自己シェアした投稿+②fbページの投稿。
同じ記事がNFに前後して載るという「2重投稿」状態が出現する!
これはけっこう極まり悪いシーンだと思わないか?
しかし、次の現象に比べればまだしもマシかもしれない。
あなたが自己シェアを繰り返せば、NFへの表示率は高まる。
でも非力なFacebookページの記事はその分だけ割を食う。
友達のニュースフィードにはいつも自己シェア記事が表示され、
肝心かなめのFacebookページの記事がさっぱり載らない。
かくして、ますますFacebookページの影が薄くなるというわけだ。
■次々回に最良の代案を提示する
かなり「自己シェア」には問題があることがおわかりになったと思う。
ではFacebookの外でホームページやブログを運営している場合はどうか、
また「シェアの本質とは何か」など、もう少し説明したいことがある。
しかしここまでの説明が長くなりすぎたので、続きは次回に。
ゴメン、見出しには「もっといい方法がある」と書いたのだった。
次回は「シェア」の活かし方について触れるが万能の対策ではない。
ワラにもすがりたい気持ちでいる人には物足りないかもしれない。
大丈夫、妙案がないわけではない、お任せあれ。
日本人が苦手とする「タグ」を使う方法なんだけど。
次の次の回にはじっくり解説するつもりだ。
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