Facebookの基本の「き」、それは―――
<現実の友達や知り合いと「交流」を深めるためのツールである>
書けば当たり前のことなのに、本当に理解している人は少ないようだ。
実は私も『なにを言ってるんだか』とFacebook基準をナメていたクチである。
■「最初の最初」にひそむFacebookの落とし穴
今だから言えるのだが、その考えはずいぶん危険なことだった。
少なくともFacebookに慣れるまでは「基本」は守った方が無難だ。
なぜなら、今の日本のFacebookという場は、「特定の誰かとつながる」という
原理原則を無視して不特定多数とつながって安全であるほど甘くないからだ。
しかも落とし穴は、最初の最初にひそんでいるので気が抜けない。
ここで質問だ。
アカウントを取得してFacebookを始めたときに最初に現れたページが何だったか
あなたは覚えているだろうか?
忘れてしまったでしょうね、初期設定をたどって再現してみよう。
おなじみのアカウント登録のページ。
メールアドレスを入力し、パスワードを決める。
これでFacebookは始められる、実に簡単。
登録するや否や、Facebookから友達を探すよう促される。
しかし今回、これはスキップすることにする。
理由はのちほど。
(これからFacebookを始める人、ぜひここはスキップしといてほしい)
プロフィールの入力ページ。
赤枠を付けたマークにご注意ください。
これは「この情報は公開します」という印。
初めて登録する人には九分九厘、意味不明だろうが、本当はとても重要だ。
いずれ機会をあらためて説明するが、Facebookでは
「公開」設定と「それ以外」の設定では、天と地ほども意味が違う。
[ステップ1]で友だち検索をスキップしたのもダダ漏れを防ぐためだ。
※誰も「友達」がいない状態なら「公開」のままで大丈夫だから。
■Facebookはいきなり「友達」を探すよう求めるが
さて、次――――
今度は「知り合いを探しましょう」とのお誘い。
これもスキップだ、友達を探さなかったくらいなのだから。
それに、「知り合い」はどこの誰ともわからない人が候補に上りがちだ。
(事実、紹介された「知り合い」はまったく一面識もない人たちだった)
次は「お気に入りのページにいいね!を」と迫ってくる。
これもスキップでかまわない。
この段階はいつの間にか[ステップ3]であり、
Facebookはあなたの趣味・関心を知ろうとしている。
[ステップ4]、最終段階でプロフィール写真入力画面が出てくる。
いろいろな考え方があるだろうが、私は写真をアップする。
※「いろいろな考え方」についてはコチラを参考にしてほしい。
★ブロックしてもストーカーは“顔”を見る! Facebookのプロフ写真なし、肯定論
パソコンに内蔵のカメラから撮ってもいいし、
パソコン上の画像を選択することもできる。
こんな感じになります。
■Facebook、最初のページはホームページ!
投稿が表示されていないのでわかりにくいが、このページは「ホームページ」だ。
「友達」の投稿を表示するページ。真ん中の投稿欄を「ニュースフィード」という。
友達の投稿以外にFacebookページの投稿や広告もここに現れる。
友達も知り合いも、Facebookページまでスキップしたので空っぽだが。
(あなたが記事を書けば、あなたの投稿はココにも載ることになる)
最初に現れるページはプロフィールページだ、と思わなかっただろうか?
自分の投稿を一覧するタイムラインがあるのがプロフィールページだから、
自分中心に考えれば、当然それが正解と思う。私もそうだと思っていた。
プロフィールページはFacebook初期には「ウォール」と言われていた。
ニュースフィードなど当時はなかったから友達はウォールに書き込みに来た。
だから各ユーザーのウォールこそが交流の場。まさにここが表舞台だった。
でも、今は違う。
主役はホームページだ(少なくともFacebookはそう考えている)。
今は空だが、この空っぽの状態をあなたに見てほしかったのだ。
このニュースフィードをこれからあなたが埋める。
あなたに記事を書きなさいというのではない、このページを埋めるのは主に
あなたの友達。あなたが選んだ友達やFacebookページの投稿が並ぶことになる。
このニュースフィードこそがFacebookのいう「交流の場」だ。
だから「友達の人選」がとても重要になる。
Facebookの調子に合わせて”手当たり次第に”なんてとてもおすすめできない。
※「友達」に比べれば「Facebookページ」は、ほんの付け足し程度の重みだ。
ページの右サイドを見てほしい。
投稿欄は空っぽなのに、友達候補をこんなにすすめてきている!
友達が1人もいなければ交流は何も始まらないからだが、あわてる必要はない。
なにより大切な「友達」選びはよほど慎重であっていい。それに―――
まことに残念なことながら、Facebookには悪質なユーザーも大勢いる。
※うかうかできないというFacebookの実態についてはコチラを参考に。↓
★Facebookのスパム娘が戦術転換、友達申請やめて「投稿」で”カモ”を釣る !!
★鍵を掛ける人になりましょう! Facebook友達のプライバシーはあなたが守る
■初期設定の危険に10年かけて気づいたFacebook!?
友達探しのその前に、もっと重要なことを指摘しておきたい。
Facebookの初期設定では、窓や扉が開けっ放しになっているのだ。
最近まで、ユーザーはいきなり無防備で世の中と接しざるを得なかった。
その証拠の画像がコレだ。
Facebookの初期設定は、投稿においても「公開」だったのである。
この設定を2014年5月下旬になってFacebookは「友達」に変えた。
投稿の共有範囲が「公開」の場合は「検索エンジンからもまる見え」というのが
がacebookの初期設定だから、初心のユーザーの投稿は世界中に流れていた。
Facebookはプレスへの発表文で、「友達とだけ共有しようと思ったことをうっかり全ユーザーと共有してしまうことの方が、逆の間違えよりもダメージが大きいことに気づいた」と説明したという。
Facebookは丸10年かけてようやく、こんな当たり前のことに気がついたわけだ。
しかしFacebookは、2009年にはまったく逆の判断を行っている。
この時点で、投稿の共有範囲の「公開」の定義を180度変えてしまったのだ。
以前の「公開」は「Facebookユーザーなら誰でも」という意味だった。
しかし今の「公開」は、「検索エンジンからも見える」という意味に変わった。
だから公開記事は、Facebookという枠を飛び越えて世界中に流れていく!
■投稿は公開でも、個人情報にはカギを掛ける
私は、投稿を常に「公開」している。
しかし一方、プライバシー設定には気を使い、かなり頑丈にカギを掛けている。
Facebookの登録用に使うメールアドレスはパスワードと同じくらい大切だ。
だからこれはもちろん公開しない。それどころかメールアドレスを新たに取得して
「完全Facebook専用メアド」にしているくらいだ(他の用途には一切使わない)。
携帯電話の番号も同様だ。Facebookがアカウント認証用に使い始めて以来、
広く知られたケータイの番号もFacebookでは見せないようにした。
このへんの話、すんなりあなたにわかってもらえたのだろうか。
[ステップ2]で個人情報を公開にしている設定を私は「いささか乱暴」
と表現した。詐欺師や悪質業者がFacebook内にいる以上、個人情報など
Facebookのおすすめのままに出せるものではない。
「設定」の話は非常に重要だ。しかし―――
アカウント登録を順に振り返ったのだが、「設定」はまるで求められなかった。
Facebookの初期設定は実にあけっぴろげで、情報はすべて「公開」だったのに。
このFacebookの設計思想は、「日本の風土にまったく合わない」と断言できる。
現在の「日本の風土」はこうだ。
- 日本では実際の友達以外でも平気で「友達」にする人が多い。
- 実名主義を守らない人が多く、アカウントに”本物だ”という信頼がない。
- Facebookの認証が甘いため、スパムなアカウントが野放しの状態。
- 設定に無頓着な人が多く、そんな人と友達になるとそこから漏れやすい。
「設定」については今後解説していくが、これだけは今、心に留めてほしい。
- Facebookは基本的に「公開主義」の傾向をもっている
- その発想を知らずにFacebookを使うのは危険すぎる
- 「設定」をしっかりやり要所ではカギを掛ける必要がある
- つまり自衛だ。自分がしっかりしていない限り痛い目に遭う
<ジャーナリスト石川秀樹(電本館あるじ)>
※Facebookは2014年5月以降、投稿の共有範囲のデフォルトを「友達」に変更したが、
あなたが投稿時に共有範囲を「公開」に切り替えると、「プライバシー設定」側も「公開」
に替わる。そして次の投稿でも共有範囲は「公開」のままになるので注意が必要だ。
(設定で一度「友達」にすれば、それ以後の投稿が「友達」に固定するということではない。
投稿時の共有範囲切り替えで、「設定」が容易に左右されることは覚えていてほしい)
【Facebookで押さえておきたいこと】
★画像検索で一発撃退! Facebookの怪しい”女性”からの誘い
★「制限リスト」を使え! Facebookでうっとうしい人に投稿を読ませない法
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★タグ付けされても怖くない! 設定上手になる方法を図解した | タグ付けとシェア②
【Facebookの教科書関連記事】
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はじめまして。ツイッターでフォローさせていただいています。私はFacebookはやっていないのですが本記事をはじめ、いくつかを興味深く読ませていただきました。また〈「朝日」社長に読ませたい! メール配信停止に手間暇かけさせる傲慢体質〉は私自身が今、立ち上げたHPで朝日新聞に公開質問いたしておりますので(http://urx.nu/8TE7)、「傲慢体質」に不安を煽られる気持ちで読みました。
公開質問しましたのは、朝日新聞が運営主体のコトバンクに2点誤りがあり、大勢の利用者に関係があると思ったからです。しかし、一個人の公開質問などに返事があるだろうかという思いもあり、〈「朝日」社長に…傲慢体質」が目に入って反応したようです。実際、朝日新聞にはメールで公開質問のことは送信してあるのですが、10日たった現在まで何の返事もありません。新聞社にお勤めでいらっしゃった石川さんの目から見られて、新聞社に対する一個人の公開質問など無視して当然なものでしょうか。(はじめてのコメントで、このようなことをおたずねしてすみません。無視してくださってけっこうです。)
ところで〈〃解約金〃拒否の論理! ユーザー脅して…〉〈〃解約金〃拒否の論理2 孫社長…〉は読みごたえがありました。読まれたかたは皆、自分の気持ちを石川さんが代弁してくれたような気分になったと思います。大変勉強になり、また私自身の体験したヤフーの無駄契約を解除したときのことを思い出し、小さな笑みがこぼれました。石川さんの「解約金はなし」と同じように〃うるさい客〃となって(契約解除の仕組みが変だと言い張る)千円未満の額ですが、無駄なお金を払わずに済んだのです。電話での交渉でしたが、担当者は「ちょっとお待ちください」と一分ほどの保留のあと、「今回に限り」というようなことを言っていました。交渉はしてみるべきですね。
そのほか電本の記事もいくつか読ませていただきましたが、長くなりますのでこの辺で失礼いたします。
広里光径さん、コメントをありがとうございます。
今、BLACK BARRACK ほかのページを拝見しました。
ご指摘に敬服いたしました。
実は私も公務員の「訓告」は「処分」のひとつと思っていました。
教養のある朝日新聞編集局でも、私のように勘違いしたままの人は多いのではないでしょうか。
朝日新聞は広里さんのご指摘(公開質問状)に、なしのつぶてを通しているわけですね。
大した新聞社ではないな、と感じました。
私が静岡新聞の編集局長を務めていた時には「訂正」は積極的に行っていました。
「読者をミスリードするのは罪だ」と肝に銘じていたからです。
自分一個の自尊心や会社の体面をおもんぱかって、読者からの指摘を「なかったことにする」などということは決してありませんでした。
公開質問が朝日新聞に届いていれば(先方が広里さんの指摘があったことを認識していれば)、なんらかの回答をするのが普通だと思います。
承知していて無視するというのは、あまり考えにくいですが。
私が朝日のメールについて書いた記事は、多くの人の目に止まったようですが、朝日関係者は見逃したようです。今日までなんの反応もありませんし、なおかつ(数は減りましたが)メールは時どき舞い込んできます。
懲りない連中なので暇をみてもう一度ブログに書くと共に、2度目を書くときには、社長室宛てに書留で原文を送ってやろうと考えています。
新聞社もこのソーシャルメディアの時代、「ふつうの会社」にならなければいけません。
現状、その点に関する新聞社、テレビ局等の大手マスメディアのリテラシーはあまりに低い。
ものを言う大衆の声を聞かないメディアは相当にヤバイ。
今すぐ倒れはしないでしょうが、若い人たちの新聞離れはもはや手を打てる状況ではなく、ある年月を境にして幾何級数的に部数減となり“退場”していくものと考えています。
それは決して私が望むメディアの姿ではありませんが。
広里さん、がんばってください。
私が思いますに、新聞社は(「マスメディアも」と言っていいと思いますが)怪物ではありません。
ただのふつうの人間の集まりです。権力構造もふつうの会社と同じ。サラリーマン心理が働くのも同じです。
だから、会社にとって不都合なことは(分解してみれば)個々の担当者のミスや落ち度に由来することは間違いなく、それを隠しておきたいと思うのもふつうのサラリーマンと同じです。
「社の体面」なんてものは、実はどこにもないのです。
「体面を傷つけた個人」「失敗して叱られるのがコワイ、バツが悪い自分」がいるだけのことです。
そこを社として謝れるるかどうかが、会社の資質だと思うんです。
発声から何年もたっている落ち度なら、それに現在対面している担当者は当事者意識を欠くはずです。
しかし「これは会社の名誉の問題だ。その対処が自分に迫られている」と感じるかどうか。ここでは社員個人の資質が問われます。
きちんと対処できるのが一流企業、対処できないのが二流、三流企業なのだと思います。
朝日新聞には学業成績に優れ受験偏差値の高かった“優秀な人材”が他社に分けてあげたいほどいると思いますよ。関所関所に物事の道理がわかる人間が座っていればいいのですが。
会社は怪物ではない、人間がダメなだけです―なんて言われたら「朝日新聞という会社」はきっと悲しいと思うんですけどね。そこを分かる感性のある人に広里さんの問い掛けが届けば、対応は違ってくると思います。