LINEの人気がいくらすごくても、「伝える力」が一番のメディアはFacebookだ。
私には持論があって、
世の中にはソーシャルメディアををやる人とやらない人がいる。
実は同じ人がツイッター、Facebook、Google+をやっている例が多い。
こういう人は当然、LINEが出てくればLINEにいち早く手を出す。
私の場合はアカウントを取ってすぐやめたが。
私にとっては魅力がなかっただけで、LINEが劣っているわけではない。
(ただし、こういう人も5000万人にはカウントされる。)
でもLINEは手柄を立てた。
「ソーシャルメディアをやらない人」の多くを参加させたことだ。
こういう人たちがいなければ「5000万人」にはならない。
だからLINEは私の持論を超える存在であるかもしれない。
新しい参加層を創ったという意味で。
■伝えたい思いがあるからSNSをする
これから話すことはLINEの新しいユーザーには当てはまらない。
ピンと来るのはツイッター、Facebook、Google+を渡り歩く人たちだ。
SNSに熱心なこの層は、ブログを書いている人もまた多いと思う。
この層の特徴は<何かを発信したい人たち>ということになる。
自分のこと、自分の会社や店や開発した商品、サービスのこと、
それらを広く世の中に訴え、売り込みたいと思っている。
多くの人が無名だ。
だからこそ「無名の壁」を打ち破るためにネットに望みをつなぐ。
まさに私自身がそうである。
ツイッターを始めた2010年夏、フォロワー集めに燃えた。
何万人もの人に直接訴えられるこんなメディア、今までなかった。
やがてFacebook人気にも火が点いていった。
こんなに使いにくい複雑なメディアはない、わかりにくい、クセがある。
にもかかわらずじゃじゃ馬で思い通りにならないコレに夢中になった。
クチコミで情報が広がる実感、たいていそれはささやかなものだけれど、
はまったときの威力に目をみはった。
そしてGoogle+。
このメディアのことはよくわからない。
わからないうちにLINEの方がいっそう早く広がっていった。
しかし私が可能性を感じるのは、いまだ不得要領のGoogle+である。
なぜか?
広く訴えたいからだ(私に限っての願望かもしれないが)。
ソーシャルメディアはマスメディアとはまったく違う。
そうは知りながらも、結果としての情報伝達は「マス」に近づけたい。
ないものねだりかもしれないが、
「知らない人、新しい人に届くかもしれない」という魅力につかれている。
LINEも希望のメディアの一つかもしれない。
しかし私の長文をLINEユーザーが読むとは思えない。
だからFacebook、Google+、そしてブログなのだ。
■ブログ誘導に向くのはツイッター、と思っていた
ブログの話をしよう。
商品やサービスをソーシャルメディアから広げていくのは難しい。
ブログへの誘導の方がまだしもやさしいと思われがちだが、
なかなかどうして素直にブログに来てくれる人などめったにいない。
ことに日本のFacebookは難物だ。
『なぜそんなに誘導やPRにナーバスになるの?』
と言いたくなるほどスルー(無視)される。
だから「誘導に使えるのはツイッターだ」、と思っていた。
数を動員するならツイッターにまさるメディアはない、と。
しかし違うのだ!
ほんとうに使えるのは、Facebookの方だった!
私のツイッターのフォロワーは21万人。
ブログを書くと、時間を開けて5~10回ツイートする。
ツイッターを数時間も続けて使う人はまずいないから、
同様のツイートを臆面もなく繰り返す(ゴメン!)。
その点、Facebookユーザーにはとても気を使う。
「友達」と「フォロワー」を合わせて4000人いる。
ブログへの誘導記事は1回きりしか書けない。
(図々しい僕でも2回は書けない空気だ)
その結果はどうか?
実は記事の内容によってまったく結果は異なる。
反響のないときは両SNS合わせて「2ケタ」というときがある!
手ごたえがあるときは1日数千アクセスになることもある。
『同じ人間が書いているのに、なんだ、この違いは?』
と、怒りがこみあげてくる時もある(まったく・・・・)。
この「愕然とするほどの違い」はツイッターにおいてはなはだしい。
先月わが社で出版した「遺言の話」は21万人中数人のアクセスだった。
一方、「解約金拒否の論理(5/7)」は数百人が反応してくれた。
と言っても、この記事は1日7500アクセスがあったのだ。
そのうちの数百という動員力はどうなのだろう(すごくはない)。
Facebookからは4500人が来てくれた。
記事への「いいね!」率も高く1300いいね!を超えた。
ブームが起ている最中のいいね!は「2人に1人」という具合だった。
■いざという時に頼むに足りないFacebook
上記は、最近になって反響の良かったブログを分析してわかった。
この記事に限らず、他のヒット記事でも同じことが起きていた。
ブームを作るのは21万フォロワーのツイッターではなく、
硬い記事しか書いてこなかったFacebookからだった。
実をいうとFacebookには少し複雑な思いがあり、
以前ほどFacebookへの期待感は薄れていた。
私から見るとユーザーの反応はあまりに平板で型にはまっている。
安全なよい話には反応し、渾身の投稿でも売り込みにはソッポを向く。
商売でない”ふだんの活動”でも、その反応は同じ。
「来てください」と書こうものなら、いつの間にか人がいなくなる。
『これを言いたくてこの人は一所懸命交流していたのだろうに』
冷たい反応を見ると私は哀しい気持ちで、応援のいいね!を献上する。
以上はむろん私の独断と偏見だ。しかし
<いざというときFacebookは頼むに足りない>
という感情は残っていた。
■書く内容次第でリーチは250倍の開き
ブログを書く人は、自分の記事を読んでほしいに違いない。
だから他のメディアで、「ブログ更新しました」などと伝える。
しかし各メディアにはそれぞれのファンがいる。
愛する場から連れ出してブログを読んでほしいなんて、
厚かましいにもほどがある。
でも、私たちにはそれしか方法がないのだ。
だから私はブログ紹介記事に精魂を傾ける。
ブログそのものまで読まなくても要旨が伝わるようにする。
ブログにまでアクセスしてくれるなんて、よほどのことだから。
どんなに心を砕いて書いてもブログ紹介記事は分が悪い。
私の場合は、通常の5分の1くらいの反応だろうか。
ただ、これにも例外はあって「解約金拒否の論理」を紹介した時は
通常投稿の倍以上のいいね!をもらった。
Facebookの個人ページでは記事の表示数(リーチ)は見られない。
ところがFacebookページだとそれが見られ、関心度の指標になる。
最近は見た目の「いいね!」数より、こちらの方が気になる。
ごく粗っぽく言えば、投稿の「リーチ」は250倍くらい違う。
200の時もあれば50000を超すときもある、といった具合。
Facebookもまた「振れ幅」の大きいメディアだ。
書いた主題によって反応はあっけにとられるほど違ってくる。
空振りもある代わりに、
「カチッ」とはまったときの拡散力はとてつもない!
■Facebookにこそ爆発力があった!
数字を調べてみるまでは「拡散力はツイッター」と思っていた。
なんといっても基礎数が大きい(21万人)、それにリツイートもある。
ツイッターは「一斉拡散」、Facebookは「じわりクチコミ」。
そう思い込んでいたが、Facebookにこそ”爆発力”があった!
この理由はどうやら「ユーザー構成の違い」にあるらしい。
白状すればツイッターは相互フォローで得た人たちで多種多様。
それに対してFacebookは、自分から友達申請した人ではなく、
私の投稿を読んで反応してくれた「友達」や「ファン」である。
一度は「共感」という共同作業があって縁を結んだ人たちだ。
数は少なくても、気持ちが通う”基礎”ができている。
最近は、Facebookのことを書けば苦言や悪口ばかりだった。
Facebookが好きな人にはたまらなかっただろう。
直球ばかりでゆとりがない私の力不足だ。
日本人は確かに実名投稿になれていない。
自分を表現することが苦手で、”思った通り”には書けていない。
行儀良すぎる面もある。
しかし、それでも実名で書こうとしているだけ真剣な人たちが多い。
■ピュアな数百万人が残るなら・・・・
Facebookが退潮だという。
私もときどき冷めた筆致でそんなことを書く。
しかしソーシャルメディアの中でFacebookが一番好きだし、
語りたい相手がいるのもまたFacebookだ。
Facebookは背伸びしてアカウント数を増やすことはない。
スパムや幽霊アカウントはどんどん減らしたらいい。
実名で書きたい人が数百万人しかいなくても、
ピュアな「数百万人」はたいへんに価値のある数だと思う。
LINEよりツイッターより、Facebookだ。
何かを伝えたいなら、私はこのSNSをおすすめする。
【Facebookに一言いいたい】
★実名にビビる日本のユーザー事情㊦ Facebookをつまらなくさせた自己規制癖
★広報不調をFacebookのせいにされても困る! 見切り早すぎる日本人
★Facebookのフォロワー数がステイタスだなんて、勘違いもいいところ!