X

★Facebookに姑息な自動化ツールなど無用! 律儀な人が最後には勝つ

 

このところFacebookに絡む「スパム」な話ばかり書いている。
5月25日にはこんな記事を書いた。

★使ってはいけない!「Facebookの便利ツール」悪の放置がFacebook退潮を招いた

 ※「便利ツール」とはいいね!自動化ツールのこと。

 

■「いいね」「自動化」検索すると上位にツールがズラリ

初めて批判記事を書いたのは3年前の7月だ。
大きな反響があったらしく、友達が教えてくれた。
「<いいね><自動化>で検索すると君のブログがトップに出てくる」と。
きょうあらためてGoogle検索してみると―――

 


「いいね」「自動化」と検索してみると、いいね自動化ツールがズラリ。批判記事は私が書いたブログだけ

 

1位からは落ちたものの、2位に踏みとどまっていた。
しかし他の項目はすべて「いいね自動化」ツールの紹介だ。
2ページ、3ページ目を見ても同じ。
予想はしていたけれど、やはりがっかりした。
(批判記事より「ツール」の方が受けているらしいから)

 

ところでこの3年間で、自動化の機能はそうとうに進化したようだ。
「自動いいねなんかしてもすぐバレる」と思っていたが、さにあらず。
いいね!する間隔を選んだり、“休憩時間”まで指定できるという。
人が押しているように見せるため人間的な「揺らぎ」を入れるわけだ。
Facebookを出し抜こうというのだから、大胆不敵(?)。

 

■「数の力」を持ち出す人には要注意

断わっておくが、「自動化ツール」を全否定したいわけではない。
使っていいツールと、いけないツールがあると言いたいのだ。
投稿時間を予約できるツールは合理的で、使えるな、と思う。
Facebook投稿には(その人にとって)ベストな時間帯があるからだ。
「その人にとって」というのが重要で、
“いつもの時間”に投稿すれば“いつもの人”が見てくれる。
こういう関係性が実に大事だけれど、人はあまり気づいていない。
とまれ、投稿時間を決められるというのはかなり有利に働く。

 

しかし「いいね自動化」はそれとは別次元の話だ。
こんな姑息をすすめる人は、Facebookのことを本当に分かっているのか。
彼らが売り込み文句として必ず出してくるのが「数」だ。

投稿に100いいね!はひとつのブランド
2週間、1日5クリックするだけで友達が2倍に
友達1000人よりフォロワー1000人の方が価値が高い
1週間でページのいいね!1000獲得の秘策!

こういう文章で刷り込んでいるのは、
  ▼Facebookの友達は多ければ多いほどいい
  ▼フォロワーが多いのは友達の数以上に重要
  ▼Facebookページのいいね!(ファン)も多い方がいい
  ▼投稿に「いいね!」をたくさんもらえる人がエライ
  ▼結果、「数こそ力」で販売増、成果アップにつながっていく

 

はっきり言って、こんなことを言う人はアマチュアである。
(つまり本物のマーケターではない、ということ)

 

友達が100人の人と5000人の人ではどちらが「いいね!」をもらうか。
5000人の方だと誰しも思う。
でも、いつもそれが正解とは限らない。
友達が上限に達している人でも「いいね!ひとケタ」はざらにいる。

 <2ページに続く⇒⇒⇒

 

■Facebookの達人は計算し、かつ自分ですべてやる

一方、敬愛する友達である宮川千明さんのことをちょっと紹介したい。
友達4999人で、1投稿に3000~4000いいね!を常に獲得している。
セミナー講師は「フォロワーが17,200人もいるのだから」と
これまた「数」を持ち出して説明するだろうが、それは違う。

 

無名の1女子社員だった宮川さんをFacebookのヒロインにしたのは、
投稿内容がいつもビジネスのヒントになり、人の役に立っているからだ。
同時にこの人は、懸命にコメントを返す人でもある。
またすべての投稿、それに載せる自分撮りの写真に気を配り、
自分をどう見せるか、プロ意識に徹している人でもある。
みんなと同じ「1いいね!」からスタートして今の「千明像」を造り上げた。
手抜きなしだ、そしていつも熱い。
その熱さに共感する人が増えて今の「数」になっている。

 

自動ツールを100万回使っても、こうはならない。
もう1人、虎斑竹の製品を販売する竹虎四代目こと山岸義浩さんも同様だ。
Facebookページは3万6000人のファンで常に1000いいね!を獲得。
山岸さんは「竹がなによりも好き」と会う人ごとに語っている。
だからそれを買ってもらうため「一文に汗をかく」努力を続けている。
Facebookに限らず、ホームページ、メルマガ、ツイッター、
そして何より生で取材されることに全力を傾けている。
四国の片隅で「竹虎有り」を叫ぶなら、それくらいの努力は惜しまない。

 

■友達を「見込み客」扱いする者に惑わされてはいけない

Facebookの本質はコレだ。
言って悪いが、時間惜しみの効率化ツールなぞ入り込む余地さえない。

 

自動ツールのお客さんはアフィリエーターやセミナー講師が多い。
お忙しいから使いたくなるのだろう。
売る側も買う側も「友達」を見込み客としか考えていない。
だから同じ穴のムジナがシンクロしても不思議ではないが、
まじめな商売人(ビジネスパーソン)を惑わさないでもらいたい。

自動化ツールがここまで普及してしまうと、普通の人も使いたくなる。
個店、中小零細企業、個人事業主、専門家・・・・・
みな生きるのに懸命で、Facebookが有効とわかっていても時間は惜しい。
だから、望みの綱のソーシャルメディアについ「効率」を入れたくなる。
ネットで時折見かける「ツール」の話はいかにも魅力的に映る。

 

先日、LINEに誘導詐欺のことを書いた時、
「うまい話はだましの手口」と要約した。
Facebookの効率化ツールは詐欺ではないかもしれない。
しかし額面通りの成果が出ることはないし、もっと重要な問題がある。
いいね!を自動化する人は一気に信用を失う可能性が高いということ。

“Facebookという世間”を自分でせせこましいものにしますか?
もうおわかりだと思うが、
あこがれる数の力はコンバージョンには結びつかない!!
ページのファンが何人いようと、1投稿に大量いいね!をもらおうと、
それが「購入」や「集客」といった具体的な成果にはつながらない。

 

■Facebookユーザーの高い見識を信頼

ブログの冒頭、「がっかりした」と書いた。
自動化ツールを売り込む者の方が上位を席巻していたからだ。
世間はそんなものか、と思った。
良識よりも、おいしい話に飛びつきたがるのか、と。

 

しかし書いていて『早とちり』だったのではないか、と思い始めた。
彼らが上位にいるのはSEO対策を普通の人より知っているからだ。
サーチエンジンを手なずける方法に一応、たけている。
だから「いいね」「自動化」と複合検索すれば上位に出てきた。
でも「それが何か?」なのだ。

 

効率を求める風潮もあるにはあるだろうが、
Facebookユーザーの世間知はもっとずっと高い。
手抜き効率化でFacebookマーケティングで成功している人は、
ほとんどいないという「真実」にとっくに気づいていると思う。
だから現実に、マーケティング的発想がここまで毛嫌いされる。

 

それはそれで「行き過ぎ」と思っているが、その感性は尊敬する。
Facebookという土壌は、不器用、無骨が勝つと思う。
日本のFacebookはそうであってほしい。
3年間、ずっとFacebookを視てきた私の願いはそれである。

 

 【注目の関連記事】

★使ってはいけない!「Facebookの便利(?)ツール」 悪の放置がFacebook退潮を招いた  

石川 秀樹: