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★「友達の動向ならお任せを!」 友達受けを狙ったザッカーバーグ

 

Facebookは友達の輪を創りたがる。
いいね!やコメント、シェアから割り出して、“大切な人”の情報をせっせとあなたに届けてくれる。なぜそんな余計なことを?
創業者、ザッカーバーグ氏の思いがここにあるからだ。


 
彼はハーバード大学の学生だった。
エリート集団。みな“何者か”であろうとしていた。
その中で彼はいまだ“人気者”というほどの存在にはなっていない。
コンピューターおたくと見られていた。
だからみんなに目にものを見せてやりたい。

 
学内ソーシャルメディアとしてFacebookは初期段階から人気を博した。
誰だって興味がある“異性の動向”が見られたからだ。
Facebookはただのネット上の“写真名鑑”かと思いきや、
誰かがプロフィールを書き換えると「友達」にお知らせが届いた。
関心をそそられ彼女(彼)のウォールに見に行く。

始めはその程度のものだったけれど、
ニュースフィードができてからは飛躍的に情報量が増えた。
しかも今度は「変更情報」ではなく、
友達の新しいコンテンツがそっくりそのまま自分のニュースフィードに届く。

 


『友達を夢中にさせたい』というザッカーバーグの野望!

ニュースフィードという新しいステージを使って実現した。
頼まれもしないのに友達の情報を各個に“配達”してやる、
ニュースフィードの発明はFacebookにとって大きな一歩となった。
サイトへの滞留時間が飛躍的に増え、ユーザー数も急伸した。
さらに3年後、「いいね!(Like)」という仕組みを造って人気は不動になっていく。

 
でも、明らかに「やり過ぎ」でしょう?
しかも“お届け”にザッカーバーグは格差を付けている!
全員に届けるんじゃない、交流が頻繁な友達
(つまり彼女や彼の動向を知りたがっている人)
にだけ情報を届ける。
興味の薄い人(やりとり頻度の少ない友達)は無視。
ソーシャルメディアとしては著しく公平性を欠いている。

 
しかしニュースフィードが登場した時、このことはまったく問題にならなかった。
「プライバシー侵害だ!」と、そっちの方は大いに批判されたんだけど。
侵害騒ぎが一段落すると、ニュースフィードは定着した。
ほとんどの人が「配達に格差があること」には気づいていない。
当時も、そして今もね。

 
だから放っておけば、つまり普通にFacebookを使っている限り、
自然に、自分を中心にして取り巻きというか、コミュニティができていく。
つくづくおもしろいなと思う、Facebookは。
破天荒な設計思想だ。

 
でもまじめな話、Facebookのこういう特徴は、知った上で使わないとヤバイ。
友達の投稿を届ける、届けないは、Facebookの一存だ。
そこにユーザーの意思や都合や希望は介在しない、一切考慮されない。
Facebookが自動的に計算して振り分けていくだけだ。

 
最近あの人の投稿が見られなくなった。
『嫌われちゃったのかな』なんて、努々(ゆめゆめ)思わないように!
それって、Facebookの仕業なのだから!! 

 

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ジャーナリスト石川秀樹>■■電本カリスマ.com

石川 秀樹: