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★また来た”詐欺営業”、今度は電話機リース! 肉食獣にさらされる日本の消費者

 

私たちは肉食獣も棲息するサバンナで暮らしている草食動物のようなものだ。
いきなりこんな言い方をしたのは、昨日も詐欺営業の電話が掛かってきたからだ。
昨日まで個人事業主や中小企業を狙う「悪質電話リース商法」が在ることを知らなかった。
現代はし烈な競争社会とは知りつつも、のほほんと草をはんでいたようなものだ。

 

■電話回線工事の話ではなく、電話機売り込み

「NTTの仕事をしている〇〇コミニュケーションズの中山というものです」
口調は至極ていねいで、最近の電話勧誘の若者たちとは明らかに違っていた。
それでこちらもねんごろに応答、要件は光回線の工事に関するコトだった。
なんでも「回線が100Mbpsから1Gに変わり10倍も速くなる」そうだ。
ついてはルーターを変えるので工事の者がお宅を訪問したい、とのこと。

 

なるほど、なるほど。10倍も高速になるのか。それで料金はどうなる?
「変わらない」という。ありがたい話じゃないか。当然のように来訪を承諾した。
すると中山氏(匿名)は「ちょっとアンケートをよろしいですか?」という。
「電話とファクスが同じ番号のようですが」ハハァン、もう1回線引かせたいわけか?
と思ったが、違った。狙いは新しい電話機(本体)の売り込みのようだった。

 

家庭用電話機をビジネス用のに換えさせたいのだと、まぁ、そのように受け止めた。
アンケートが終わり、工事者と日程を打ち合わせるため電話はいったん切られた。
10分ほどしてもう1度電話があった。今度は本格的に電話機の話を始めた。
家庭用なら今日日1万円以下でもある。事業用なら数万円か? でもなぁ・・・・。

 

突然かかってきた「NTTの仕事をしている会社」から掛かってきた詐欺営業の電話

 

■「で、いったいいくら掛かるのかね!?」

基本的に買い替える必要は感じていなかった。電話とファクスが同一番号でも支障はない。
そんな前提で(半分以上お断りするつもりで)説明を聞いた。聞くと、あにはからんや!
電話は買い取りではなく「リース」を前提に、熱心に話し始めたではないか。

 

「7年リースで、従来ですと7年経つと契約は自動更新になるのですが・・・・」
今度の契約は7年で打ち切られ、以降は電話機が無料で使える、と
それが利点であるかのようにとうとうと説明が続く。イライラしてきた。
こちらがもっとも聞きたいことを、わざとはぐらかしているような・・・・。
「で、毎月(リース料は)いくら掛かるんだね!?」口調がつい荒くなった。

 

「機種によっても違いますが」といいながら、ついにいったのが「月1万円」。
ビジネスフォンにまったく知見がないが、1万×12か月×7年=84万円!!
とうてい「安い」とは思えなかった。現実にミーツ出版(株)を設立した時に
ファクス兼用の電話機を購入したが1万2、3千円だったように思う。
電話機に月1万円も”投資”する気にはまったくならないだろう(未来永劫!)

 

これ以上説明されても時間の無駄なので、端的に断った。
「今、電話機をビジネス用に換える必要は感じない。家庭用電話機で十分だ」
そうそう、回線変更工事の話が途中で消えてしまった。「来訪」はどうなったのか。
来るのか来ないのかと聞くと言いよどんだので、こちらからアポをお断りした。

 <2ページに続く⇒⇒⇒

■電話機1台、7年で84万円のリースは超割高!

昨日はそのような判断をしたのだが、気になったのでネットで少し検索してみた。
「電話機 リース」で引くとこんな感じだ――――

昨日の電話が気になり「電話機 リース」でググッてみると、こんな感じだ

 

事務用電話機は「ビジネスフォン」というらしい。リース、レンタルは当たり前。
例によって「格安」がここでも売り文句・・・・。そして広告を飛ばして検索2位、3位に
「電話リース被害・トラブル」「悪質電話リース」が表示されている(赤枠)!

 

この後、「価格」についても調べてみた。
「格安・中古4万円」というのがあった。新品の半額だそうだ。ビジネスフォン、かなり高い!
とはいえせいぜい7、8万円。7年で84万円も払う意味は金輪際なさそうだった。

 

■「お墨付き偽装商法」によく似た手口

実は昨日、ブログに「お墨付き偽装商法」のことを書いたのだった。
ネット広告でスキャンを促し「こんなにエラーがある」「スピード低下」、果ては
「あなたのパソコンはクラッシュ寸前」とユーザーを脅して対策ソフトを買わせるあの商法。
だまされる理由は、画面に「Microsoft」や「McAfee」のロゴを意識的に掲出しているためだ。
あたかも提携関係にあるかのような”体裁”がユーザーを錯覚させる。

 

「電話機リース商法」もこれと似ている。真っ先に「NTT」の名を出す点だ。

参考になるサイトを開いてみた → 電話リース 被害・トラブル対策マニュアル

 

このサイトから多くのことがわかった。

    1. 大手電話会社の販売店といっても、大手と特別な関係があるわけではない。
    2. 中には信用を偽装するため「大手」であるかのように名乗ることがある(悪質だ)。
    3. 「近々、この地域でNTTのひかり回線工事があります」などというが、
      NTTはひかり回線化などの工事を販売店に明かさないからすべてウソ。
    4. 中には電話機リース残額を下取りし電話機の交換を勧めることもある。

     

    4.のケース。下取りさせた分がそっくり新たなリース料に上乗せされる例もあるようだ。
    いずれにしてもリース契約はファイナンス契約(金融取引)に当たるので、
    クーリングオフもないし、ここが特に重要だが、中途解約もできない
    私が冒頭「肉食動物サバンナ」といった意味がおわかりになるだろうと思う。

     

    ■猛獣たちの詐欺営業に乗せられてはいけない

    私は光回線の話であると勘違いさせられ、業者の話を聞いてしまった。
    聞いてしまうと、かなりの確率で”肉食獣”の手の内に取り込まれる。
    会社を設立すると頻繁に事務機器の業者から電話やファクスが入る(紙切れになるほど頻繁に)。
    ほどなくして賢くなり、営業電話は即切りして無事に切り抜けてきた。

     

    しかし今回はマニュアル片手の若い人の営業トークとはまるで違っていた。
    電話1本で何人も落としてきたような人なのだろう。その手を振り切ることができたのは
    「電話で金銭の話が出てきたらすべて詐欺」と常日頃自分に言い聞かせていたからだ。
    もちろん今の時代にも、まじめな電話営業はあるかもしれない。しかしその手法は、
    特殊詐欺がはびこり老人を食いものにしている現在、非常に分が悪いと言わざるを得ない。

     

    「電話で金銭の話が出てきたらすべて詐欺」
    私は人にもそのようにいっているし、こうして記事にもしている。
    口先一つで「84万円」のリース契約を結ばされるところだった!
    その契約、クーリングオフもできなければ中途解約もできないのだ!!
    7年間も毎月ほぞを噛みながら1万円の引き落としを見続けるなんて、耐えられない!!!

     

    現在は猛獣たちと同居するサバンナである。
    おのおのがた、詐欺営業にゆめゆめ油断召されるな。

     

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    ジャーナリスト石川秀樹>■■電本カリスマ.com

    石川 秀樹: