★解約金拒否の論理、総務省が英断!「2年縛り」がストップするぞ !!

解約金ストップ
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「安保採決 自公が強行 きょう衆院通過へ」の大見出しが躍る日、朝日新聞朝刊7面に注目すべき記事が載っていた。
携帯2年縛りに総務省が「見直し」要請するというのだ。

 

国の将来を左右するかもしれない安保関連法案が取りざたされている時期に「瑣末なことで」とは思う。しかしこの問題、庶民が束になってかかっても“大きな組織の意思”は正せない、という意味では通じるものがある。あえてまた、論評したい。

 

■嫌がらせに過ぎない「2年縛り」

1年前にこんな記事を書いた。

★“解約金”拒否の論理! ユーザー脅して囲い込み、に屈してはいけない

私はスマートフォンなどを購入する際に交わす「2年縛りの契約」にぜひともストップを掛けたいと思っている。キャリア(ドコモなどの通信回線業者)は“特別な料金体系”と思わせているが、企業は負担を感じずに実現できる料金であり、事実、Softbankなどは年間に1兆円もの営業利益を上げている。それを「2年縛り」にするのはユーザーを囲い込むためであり、それ以外に理由はない。

 

光回線でもNTTその他の通信業者の競争が激しく、ここもほぼ「2年縛り」の契約が慣行だ。業者を換えると回線を敷き直し新たにルーターなどを貸与するので「ポンポン換えられてはたまらない」という言い分はわかる。しかしケータイ(スマホ)の場合は、キャリアの回線網はあらかた整備されており、違約金でそれを整備するという理屈にもなりそうにない。

2014年度のSoftbankの決算から 売上高 6兆6,666億円(うちスマホ3兆1,655億円)、解約率 1.27%、36億円。売上高に対する解約金の寄与率は0.054%、スマホ収入に対する割合は0.114%に過ぎない。 

 

2年縛り」の意味のなさは上の数字から明らかだと思うが、私も契約から2年内の縛りをとやかく言うのではない。携帯キャリアにも都合があることを一定程度は認める。ユーザーを囲いたいのは企業としては当然だ。しかし「25ヶ月目」に解約月があって、その月だけは“無料”(?)で解約させます、しかしそれを過ぎたら契約は自動更新となり、いつやめても解約金をいただきます――というのはどういう理屈か。「理屈」というより、お客様第一主義を日ごろ標榜するキャリア各社は「お客様へのサービス」に本当になっていると思っているのだろうか。
私には嫌がらせとしか思えない(何しろ解約金の寄与率は0.054%にしかならないのだから。いつでもやめられる数字だ)。

 

■司法は一蹴、立ちはだかった総務省

私の解約金拒否の論理は私固有のものではなく、ケータイを換えよう、キャリアを換えようと思ったユーザーのほぼ全員が抱く思いだと思う。
この誰もが当たり前に思う思いを、司法は一蹴した。2014年12月14日のことである。

 

携帯電話の2年契約の割引プランを途中で解約する際、一律で9975円の解約金を支払わなければならない契約条項が違法かどうかが争われた三つの訴訟で、最高裁は「条項は有効」とする判断を示した。<2014.12.15 ネット版朝日新聞より引用>

 

3訴訟のうち一審では原告勝訴の判決が出たこともあったのに、最高裁はひっくり返してしまった。
裁判官はケータイやスマホをお持ちではないのだろうか。
いや、お上から支給されている。ケータイショップという“現場”も知らず、解約に伴うさまざまな不快を経験することもなく、庶民が何に怒っているのかさえ見当もつかなかったに違いない。

 

しかしお役人(総務省の高級官僚)の中には、私たちの声をきちんと聴いていた人がいるらしい。いや、役人だけではなかった、有識者懇などという会合もあった。おかげでSIMフリーは実現した。そして最後まで残った牙城「携帯2年縛り」にまで口を挟もうというのだ。大いに結構! 実は最後の頼みはここだ、と待望していた。

 

普通にケータイを使っていれば誰でも“遭遇する”理不尽に、国が口を出す。
私のようなへそ曲がりにとって、ビジネスに国が“干渉”するのは本来歓迎すべきことではない。しかし「浜岡」の例もある。時の首相、菅直人氏の要請一つで東海地震の震央に建っている浜岡原発が止まってくれた。おかげで静岡県民は、しばらくは枕を高くして眠れる。
相手が強大な力を持ち、かつ傲慢な場合、さらに上をいく傲慢が口を出さなければ事態は正されないという見本のような例だった。
(もちろん今回の例で言えば、本来それをやるべきは司法だったと思うが)

 

■自作自演「他社への解約料金負担します」

総務省を動かしたのは「庶民の怒り」である。
怒りの根底にあるのは不当に高い通信料金だ。
ユーザーは「なんだかわからないが、料金、高止まっていないか?」と感じている。
2年縛り」を強いながらスマホ、ケータイの通信料金は決して安くない。だからこそ、少しでも割安の会社を選べるように「SIMカード」が自由選択できるよう、待望した。

 

携帯キャリア各社の乗り換えキャンペーン

携帯キャリア各社の乗り換えキャンペーン。高額キャッシュバック、解約金負担も当たり前になった。そのおカネはどこから浮いて来るか・・・・

 

その間にキャリア各社は何をやっていたか。
こんなばかばかしい商法がまかり通っているのだ。
3社が3社とも談合でもあるかのように「2年縛り」を続けている。すると他社を出し抜くにはどうすればいいか。ショップは“乗り換えキャンペーン”と称して乗り換えユーザーに「解約金負担分をお支払いします」と訴え始めたのだ。自作自演の空回り。しかしキャリアは損をしない。既存の“お客様”が何も知らずに高い料金を払い続けてくれるから、原資はたっぷりある。

 

■日常の理不尽にケリをつけよう!

総務省はきょう7月16日にも大手キャリアに向けて「最初の2年の“縛り”は認めるものの、それ以降はいつでも違約金なしで解約できるような料金プランをつくるように」と要請するようだ。
解約金拒否の論理をつきつけ、解約金をストップさせる肚、と言っていい!

 

けさの朝日新聞によると

総務省の要請は携帯会社に自主的な対応を促すものだが、不十分と判断すれば、拘束力のある方針を定める考えもあるという。

 

業界を挙げて、よくもこんな詐術みたいなビジネスを続けてきたものだ。
本来のお客様へのサービスなら、まずもって料金を下げるはず。
しかし携帯キャリアたちがやってきたのはその逆だった。
無茶苦茶に高額だった初期の通信料金に手を付けず、代わりに「2年継続してくれるならこんなに安くなります」とあたかも“特別”であるかのような料金を提示した。本来なら「標準料金」となるべき料金が依然として“特別”であり続けている、というのがこの手品のタネである。

 

料金を高止まらせた上に、ユーザー囲い込みもできる。一石二鳥。
1社が始めればこぞって追随した。あとはショップ同士の競争だ。
ショップにとっては顧客を増やすのが勝利への道。
そんな中で損するふりをして解約金を払ってあげてお客様を釣る「解約金負担商法」まで現れた。キャリア乗り換えを急ぐユーザーは一瞬、得した気分になって乗り換える。そんなお客様に媚(こび)を売るために払う経費は、旧来からのお客様に高止まり料金を払わせてせしめたおカネ。

 

一瞬得した気分の新規顧客もすぐに「縛り」の中に取り込まれて搾り取られる側に回る。
こんなことを繰り返しながら、回り回って顧客占有率は一定幅に収まっている。
この間、安定的に高収益を収め続けているのは言うまでもなく携帯キャリア。
キャリアたちのウィンウィンに手を貸し続ける一般ユーザーは、いつだってババをつかまされている。

 

こんな“日常の理不尽”にいい加減、けりをつけよう。

 

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ジャーナリスト石川秀樹>■■電本カリスマ.com

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