「公開」でFacebookに投稿してるのに「特定の友達だけ制限」する設定をしたいという人、けっこう多い。でもこれは不可能だ。Facebookはもともと友達と交流するためのSNSであり、「公開」というオープンな立場に立つ場合は”一切の制限なし”が前提だからだ。
誘客したい、個人事業だから私という人間を知ってほしい、私たちの活動をもっと知って!・・・・・「公開」で投稿する人は、ビジネスに限らず大勢いると思う。でも同質指向の強いニッポンだけに、仲間や友達に気兼ねするあまりつい”苦手な友達”や”うっとうしい相手”もできがちだ。
『あの人だけには私の活動、知られたくない。でも(その一方)たくさんの人に知ってもらいたい気持ちもある』
そういう気持ちはわからなくはない(特に女性のユーザーの場合は深刻だと思う)。そんな設定ができないか、探してみた。
■「公開するなら”制限”はNO」が前提!
でもゴメン、やっぱりそんな設定、なかった!
やはりFacebookはアメリカ流ですな。
「公開するなら、Facebookユーザー全員が見られる状態にする」を大前提にしている。
うーん、Facebookでビジネスをアピールしたいと思っている人にとっては厳しい決まり・・・・。
でもそれは当然なのだ。というのもFacebookは
Facebookページというものをわざわざ設けて、「活動をアピールしたいなら、それはFacebookぺーじでやってよ!」と促しているからだ。
だからFacebookページの投稿の共有範囲は常に「公開」であって、ほかの選択肢はない。
これに対し、Facebookの個人ページは幅広い「投稿の共有範囲」を設けている。
「公開」という設定についてはかつて一波乱があった。
一時期、Facebookという”特別区”を越えて、投稿したコンテンツをGoogleその他の検索の対象にしたことがあった。その時期はまさに「世界中から見られる」状態になったわけだが・・・・。
でも今は、Facebookの個人ページを検索対象外に戻したようだ(自分のページでさえ、いったんログアウトして外部検索すると「プロフィール」しか読めない。記事はまったく読めない)。
だからFacebookで投稿の共有範囲を「公開」で文章や写真をアップしても、「世間に丸見え」ということにはならない。
第一、ふつうの私たちが「公開」で投稿したところで、そんなに多くの人に注視されるわけではない。
影響範囲(公開投稿が届く範囲)はごく限られているから「ご安心を」といってもいい。
ところが存外、私たちがいっている「世間」はごく身近な世界に限られている。そういう世間で、思いがけない人にFacebookに書いた記事や写真を見られたりすると、途端に『Facebookはコワい』と思うようになる。
この点、日本人は極めてナーバスだ。このためFacebookは、「友達」というものを基準にして、実に精密なプライバシー設定をできるようにした。今ではFacebookの特別区の内のプライバシーは、かなり厳密に守られている。
■「友達」に5つの階層を作った
ここで、うっとうしい友達「A」「B」「C」がいるとしよう。
FacebookはA,B,Cをピンポイントで外せる設定も作ったし、他の疎遠な友達とともに遠ざける設定も作った。
まず「友達」というキーワードで───
(友達にも何種類もある!)
「親しい → 疎遠」で並べると
- トップに表示
- 親しい友達
- 友達
- 知り合い
- フォローをやめる
と5つのタイプの「友達階層」をつくった。
詳しくはコチラをご覧いただきたい。
★Facebook、ベストな閲覧制限はコレだ!「知り合い」と「フォローをやめる」を併用
ごく簡単に言えば「友達の序列」だ。
「トップに表示」と指定すれば、その友達の投稿は常にあなたのニュースフィードにトップ記事として表示される。「フォローをやめる」はその逆。相手の投稿は2度とあなたのニュースフィードに現れない(友達をやめたわけではないので、相手のタイムラインに行けば記事閲覧は可能だが)。下から2番目の「知り合い」にしただけで、相手の投稿を見る機会は顕著に減る。
相手の投稿を閲覧する機会が減れば当然、相手との関係は疎遠になる。Facebookはアルゴリズムによって記事の閲覧状況を左右しているから、自然にあなたの投稿も相手のニュースフィードに届きにくくなる。なにも特別に「閲覧制限」などを設定しなくても、人工的に投稿記事の閲覧機会を相互に減らすことは可能だ。
その上ご親切にもFacebookは
- ブロック
- 制限リスト
- 投稿範囲のカスタム設定
を設けている。
★「制限リスト」を使え! Facebookでうっとうしい人に投稿を読ませない法
■「公開」と「閲覧制限」は両立しない!!
閲覧制限の詳細は上の記事に譲りたいが、1つだけ重要な事実を付け加えたい。
「ブロック」は友達と自分を互いに見えなくする設定であるから、「公開」も「投稿の共有範囲」もない。Facebookからかき消えるのだ。例外中の例外、特別な設定だ。
問題はあとの2つ───
「制限リスト」は<「公開」以外の投稿を特定の友達に見えなくする設定>である。A,B,Cは「私」に閲覧制限されているので、「公開」記事以外は読めない。自分のニュースフィードにに「私」の投稿が表示されないし、「私」のタイムラインを訪問しても記事事態を見つけられない。しかし言い換えれば、公開記事は読めるのだ。
だから投稿の「公開」と「特定個人への閲覧制限」は両立しない。
「閲覧制限」=限られた友達の範囲にしかこの投稿は届かなくなる、ということになる。
「カスタム設定」を見ると、上に書いた事情がいっそうわかってもらえるだろう。
「カスタムプライバシー設定」はFacebookの投稿直前にも切り替えることができる。
この記事を「届かせる範囲」と、同時に「届けない相手やリスト」を決めることができる。
「プライバシー設定」のデフォルトは「友達」である。
「友達」という範囲を消去してしまうとメニューが現れ、「友達の友達」も選択できるようになる。しかし選択肢はこの2つだけ。「公開」は候補にも上らない。
「✕ 共有対象外」と言うのは「忌避する人」または「忌避リスト」のことだ。
これを設定すると、設定された一群の人たちには投稿が表示されない。
「カスタム設定」と言うからには、<公開しながらも特定した人にだけは閲覧を制限する>ことも容易にできそうだが、Facebookはあえてそれを選択しない。
■「個人ページは非商用」の意味
Facebookの「公開」は「Facebook内での公開」だが、時宜に合った投稿だと驚くほどの広がりを見せる時がある。
よい投稿、人気の記事、短時間にアクセスが集中したコンテンツは”一定の限界”を越えて幾何級数的に広がる。その起点は「友達」の反応だ。こうした仕組みにとって「特定の友達を外す」という設定は、無用な足かせになる。だから「公開」に対しては一切の「制限」を設けないわけだ。
「Facebookページ」はもともと公開。
その分、個人ページにはさまざまな共有範囲を設けてユーザーの「プライバシー」をも加味した。
Facebookはそれなりに対応している。だからFacebook側もユーザーに一定の縛りを設けている。それは
「個人ページでは商売のことは忘れてください」とのお願いだ。
個人ページで店や会社のことをPRすることはご法度。
アカウントは「個人」に限られ法人や組織が使うことは禁止。
(そんなことを理解せず「店の名前」で登録する人がまだまだいるが)
「個人ページ」は友達と交流するという特化した目的があるが故に、細かいプライバシー設定ができるようになっている。
このページで「公開」設定を利用してビジネス目的を達成しようというのは野暮である。
◇
最後は少しキツイ言い方になったが、Facebookの「公開」と「制限」の意味、お分かりいただけただろうか。