★友達は“展覧会”を見に来ない! あなたに限らない、Facebookへの誤解

Vol.1の16Pタイムライン小
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2つある個人ページのうち、きょうはプロフィールページの話。
タイムラインのあるページ、「ウォール」ともいわれるページのことだ。

大げさに聞こえるかもしれないが、“Facebook最大の誤解”について書いてみたい。

 
■「展覧会」を見に来る人は3%にすぎない!

はじめに質問。
――プロフィールページって何だと思う?
「自分の部屋」
まあ、そう言えなくもないかな。
「自分の作品(投稿)の展覧会場!」
そう来ると思った、でも、外れだ!!

 
一番大事なことを言うよ。
お客さんは「展覧会」を見に来ないんだ!!!
「展覧会場」といった以上、あなたは来場者があることを期待したはずだ

 

 ――では、あなたのタイムライン(ウォール)に来る人はどれくらいいる?
「…………??」
質問している意味自体がわからないかもしれないね。こういうことだ。

 

展覧会場だと思っているあなたのタイムラインを見に来る人は、実は少ない。
人気がない、ということではない。人気者のウォールにだって訪問者は少ない。
たいていの人が『自分の投稿は友達が読んでくれている』と思っている。

――読んでいるとすれば、友達はあなたの投稿をどこで読むのだろう?
という質問だ。こうやってあらためて問わたら気がつかないかい?
「あっ、友達はニュースフィード(NF)で見てるのか!」
そう、当たりだ! 友達はわざわざあなたのタイムラインには行かない。

 

あなたの記事を読んだ100人のうち、タイムラインに来る人は2人か3人!
これはFacebookにニュースフィードができてから、もっとも大きく変わった点だ。
それまで友達は、交流相手のウォールに行って記事を読んだり投稿するしかなかった。
「訪問型」だ。でもニュースフィード(NF)ができた。ユーザー1人ひとり、もう1つの
ページを持つようになった。そこに友達の投稿は(勝手に)流れてくる。

 

もう相手のタイムライン(TL)に行く必要がなくなってしまった。
今や1投稿に対するTL訪問者は3%にすぎない(これは私が実験で確かめた)。
それなのに、いまだに多くの人が、Facebookの投稿はTLで読まれていると信じている。
この読まれ方はウェブのホームページやブログの読まれ方とはぜんぜん違う。

ウェブのページは待っているだけだからユーザーが探し、わざわざそのページに行って読む。
どちらがいいという話ではない。Facebookは便利になったのだ。
便利になって「交流の仕方」は明らかに”それ以前”とは変わってしまった。

 

タイムラインはあなたの作品(記事)の展示室ではない。

タイムライン(ウォール)はあなたの記事や作品の展示室ではない!友達の97%は自分のニュースフィードで投稿記事を読む

 
 
■あなたの投稿は友達のニュースフィードで読まれる

こうも言える。
友達は自分のニュースフィードであなたの投稿を読む。

これはよいことなのか、それとも悪い変化への一過程なのか?
探さなくても、見に行かなくても、あなたの投稿が読めてしまう。
ユーザーは“たまたま目にしたから”友達の投稿を読むようになった。

 
繰り返すが、Facebookはブログなどの在り方とまったく異なるわけだ。
ブログはRSSリーダーなどを使って、自分の元に呼び込んで読む人が多い。
あるいは、特定の言葉でネット検索をして、ブログ記事を“発見する”。
ブログはまた、ソーシャルメディアなどに更新情報を伝え「誘びこむ」面もある。
いずれにしてもブログの読者は、自分から読みに行っている傾向が強い。

 
これに対してFacebookは、ある意味“押しつけ型”である。
厚かましくも友達のニュースフィード(NF)に記事を送りつける。
受信箱に殺到するメルマガがうっとうしくて読まれないように、
“自分の部屋”で書いたあなたの記事も友達のNFに飛び込んでいく、
そこでほかの友達の投稿と競り合う、だから時には埋没してしまう。

 

情報“押しつけ型(Facebookが代表)”と“据置型(ブログが代表例)”とでは
投稿を読んでもらう方法論も読み手側の作法も、まったく変わってくるということ。

 
ブログなら、何を書こうとあなたの勝手だ。
読まれないだけで、誰にも迷惑をかけない。
でもFacebookではそうはいかない。
あなたの投稿は、自分の部屋で収まってはいない。
友達のニュースフィードに飛んでいき“闇(やみ)鍋の具”の1つになる。
常に比較の対象だ。
読むに堪えるものでなければ箸(はし)を付けてもらえないだろう。
だからバランス感覚が必要になる。
(あなたの友達はあなたのファンばかりではないのだから!)

 
■誕生日のウォール、友達の投稿を消す必要なし

もうひとつ余談を。
日本では誕生日のウォール投稿に頭を悩ませる人がいる。
友達がこの日ばかりは(日頃の遠慮とうって変わって)ウォールにどっと書き込む。
お祝いメッセージのおかげで自分の“作品”が埋没してしまう、とイラだつわけだ。
それで一部の人は、ウォールをきれいに“整理”し始める。
せっかくのコメントを翌日にはせっせと削除、削除、削除……。

 
実はこれも勘違い。
友達がいくらあなたのウォールに書き込んでも、実害は生じない。

なぜって、もう、おわかりだろう?
友達の97、8%はあなたの投稿を自分のニュースフィードで見ているのだから。
あなたの部屋が散らかっていようといまいと、気にするのはあなただけだ。

 
アメリカ人だったらこんなことをする人はめったにいない。
彼らは自分のウォールに書き込まれることが大好きだ。
書き込まれるというのは人気者の証(あかし)、ステイタスだから。
友達が撮った写真にタグ付けされて、その写真が(領空侵犯?して)
いつの間にか自分のウォールに載っていても、まるで抵抗感がない。
これこそがFacebookが本来もっていた交流の形なのだから。
※タグ付けはいちいちウォールを訪問しなくても記事を残せる手段だとも言える。

 

ところが日本人は、ウォールを”展示場”と誤解しているから書き込みを嫌う。
残念ながらその態度は、世界標準とはかけ離れているようだ。
タイムライン(ウォール)の本来の役目は自分の作品の「展示場」ではない。
昔も今も、間違いなく友達と交流するための場だ!!!

 

自分の部屋に居るのだとしても、もっと外の世界の雑踏を思い浮かべてほしい。
あなたの記事(分身)は、間違いなくその中にいる。
部屋を身ぎれいに整えるより、投稿を通じて友達とつながる意識をもつことの方が重要だ!

 

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ジャーナリスト石川秀樹>■■電本カリスマ.com

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