Facebookにニュースフィードが出来てFacebookは変わった。
よりFacebookらしく、扱いづらいじゃじゃ馬になった!
Facebookに2つの個人ページがあるのはご存じだと思う。
プロフィールページにはあなたのタイムライン(TL)があり、ホームページには友達やFacebookページなどの投稿が表示されるニュースフィード(NF)がある。
どちらが重要か、というのはちょっと無理な質問だと思う。でもどちらが” Facebook的”かといえば、断然ニュースフィードだ。
■ニュースフィードがFacebookを変えた
ニュースフィードの登場は2006年9月。
Facebook誕生から2年半後で、これは大変革だった。
なにしろ個人ページがいきなり2つになったのだから。
(それ以前は「ウォール」ただ1つ。ここに自分も友達も書き込んだ)
2つになったが、格段に便利になった。
今や友達のウォールを訪問しなくても、NFで友達の動向がつぶさにわかる。
投稿は飛び込んでくるし、誰が誰と友達になったなどというアクティビティも教えてくれる。
まるでストーカーになった気分だ。
さすがに良識派がいて「プライバシー保護」で大騒ぎになったくらい。
でも、定着した。
なんと言ってもとても便利だから、
プライバシー管理がこちらで出来るなら文句言う筋合いはない。
■主役がユーザーからFacebookに移った
しかしこれによってFacebookが大きく変質したことは気がつかなかった。
便利になったけれど失ったもの、それはユーザーの主体性だ。
友達の投稿やアクティビティを届けるのはFacebook。
友達の意思でも、あなたの意思でもない。
ここが重要なところだが、全部を届けるのであるなら何の問題もなかった。
しかしきのう書いた通り、そうはならなかったわけだ。
明らかに意図的に、Facebookは友達の情報を間引きして届け始めた。
例によって「アナウンスなし」、いきなりの仕様変更だった。
Facebookは何の説明もしなかったから、当時も今も
多くの人が投稿は友達全員に届いていると思っている!
だれも”意図的な操作”があるなんて思いもしない。
厳密にいえば、意図的というより「一定の規則に沿って機械的に」だ。
■
■アルゴリズムが関係性を解析する
これをFacebookのアルゴリズムという。
アルゴリズムは一種の計算式であって感情はない。
さまざまな要素が組み合わさっているらしい。
いいね!やコメントやシェアの回数、メッセージのやりとり、
写真をクリックしたりリンクをたどる、「もっと読む」を押したり、
わざわざプロフィールページに行って読むことも要素の1つ。
■
一言でいえば”相手”への関心指数とでも言えるだろうか。
これが高ければ”関心が高い”と判断して、その友達のNFには投稿を逐一届ける。
関心が低いと判断すれば(数値が低い)届けるのをやめる。
ツイッターのようにフォロワーが10人でも1万人でも、
かまわず全員に投稿を届けるシステムなら「人の輪」はできにくい。
逆にこの状態では「あの人の投稿に興味がある」と思っても、
“その他大勢”の投稿にかき消されて見逃す可能性が高い。
むやみにフォローし過ぎるとそういう報いも受けるわけだ。
ユーザー相互の関係性を解析して優先お届けするというのは、まことに人間くさい仕様だ。
ただし独断専行。
無料のツールだから「問答無用」とばかり導入できるのだろう。
本来、人間が判断して交流の疎密を決めるべきところを数式がやってのける。
アメリカ的だなぁ、と思う。
日本のインテリにはコワくてとてもできやしない。
どっちに転んだって、賛否両論は必ず起こりそうだから。
■いつのまにか『人を遠ざける』Facebook
ザッカーバーグが平気の平左なのは信念に駆られているからだ。
<Facebookは現実の交流を補強する>
友達の投稿の偏った再配分はもちろん意図的だ。
しかし数学的にいうと、困った問題も起きてくる。
ほんのちょっとした偏りも、何回も繰り返せば必ず大きな偏りに変じるからだ。
だからあなたは注意が必要だ。
ほんとうに親しい人が頻繁にニュースフィードに登場するならいい。
しかし案外『なぜこの人が?』という投稿が多くはないですか?
『そう言えば、あの人どこに行ったんだろう』疎遠になっている人がいませんか?
『人の輪』を創りたがるFacebookは同時に、
いつの間にか『人を遠ざける』Facebookにもなり得る。
Facebookでは誰でも、15人ほどの中では”有名人”になれる。
その程度の規模の目に見えない人の輪ができやすいということだ。
逆に言えば、100人、200人の規模で有名になることは難しい。
もっと言えば、マスメディアで活躍する人でもなければ、
Facebook上で1万人、10万人に対して有名であることは極めて難しい。
■ザッカーバーグの狙いは「情報拡散」ではない
Facebookはあくまで「交流のため」に登場したツールだ。
情報を拡散することを狙ってつくったシステムではない。
今は確かに「クチコミ」という強力な情報拡散の仕組みをFacebookは持っている。
だから「ビジネスに使える」と騒がれもするけれど、
ザッカーバーグの狙いはそこではなかった。
ではどうすればいい?
友達との交流を楽しみにしている人は、今まで通りでいいんじゃないですか。
ただし時々、「あの人」のことを思い出して!
Facebookによって、不当に冷たくされているかもしれない。
(関係が悪くなったのではなく、たまたま疎遠になっているだけ)
そんな時には友達のウォールに行っていいね!やコメントしてくれば、
やがて交流は復活するはずだ。
■特効薬求めるより工夫は続けよう
Facebookを情報拡散のために使いたい、
店や商品、事業やサービスをアピールしたい人はどうすべきか。
ドンピシャの答を僕も持っているわけではない。
持っていれば今ごろ、もっと有名になっているはずだ。
特効薬の処方箋を持っていないからといって「なんだ」と言わないでほしい。
それこそを、みんなの知恵を集めて研究すべきではないか。
ちょこちょこっと本を読んで、それでたちどころに集客に成功するなら誰も苦労しない。
成功している人は、人に言えない苦労をし、工夫をし、他のメディアも使いながら少しでも前進しようとしている。
僕も同じくだ。
僕だって会得して、自分のビジネスに役立てたい。
少しずつ見えてきたことを、これからもお話していきたい。
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